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東南アジア学会関西例会10月「ミャンマー特集」

2014/10/11 @ 2:00 PM - 6:15 PM

10月11日(土)に行われます東南アジア学会関西例会のご案内です。
今回はミャンマー特集としまして、田村克己先生にビルマの建国神話と精霊信仰の伝説についてご報告いただきますとともに、藤村瞳さんに博論執筆のため現在調査を進めている19世紀後半のビルマにおけるカレン民族協会結成についてご発表いただきます。オープンな研究会ですのでご自由にご参加ください。なお事前登録等の手続きは必要ありません。

日時: 2014年10月11日(土)14:00~18:15(13:30開場)
場所: 京都大学総合研究2号館4階大会議室AA447
(百万遍のキャンパスまでの道のりは以下)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access
(キャンパスマップ:34番が総合研究2号館。大会議室は建物の東側)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm

 

内容:
1:14時~:藤村瞳:19世紀後半のビルマにおけるカレン民族協会結成(1881年)の再考―バプテスト派各個教会との関係に着目して―
2:16時15分~:田村克己:ビルマの建国神話と精霊伝説~ミャンマーの『赤と黒』

 
発表者:
【氏名】藤村瞳
【タイトル】19世紀後半のビルマにおけるカレン民族協会結成(1881年)の再考―バプテスト派各個教会との関係に着目して―
【所属】上智大学大学院グローバルスタディーズ研究科・博士後期課程
【要旨】
1881年にバプテスト信徒カレンによって結成されたカレン民族協会(The Karen National Association)は、これまで「ビルマ史における初の民族団体」、「カレン民族主義の起源」として捉えられることが多く、その政治性や民族性が強調されてきた。一方、結成当初においては文化的、宗教的団体としての性格が強かったであろうとも指摘されている。しかし同団体結成の詳細は依然として明らかにされておらず、この指摘も推測の域を完全に脱するものではない。
 本報告は、カレン民族協会初代代表のテオドア・タンビャ(Theodore Tan Byah)の著作やバプテスト宣教月刊紙『モーニング・スター』などのスゴー・カレン語史資料を用いて、同団体の結成経緯や組織構成、および活動目的を明らかにする。そして、バプテスト宣教のなかでも特にバセイン地域における宣教が団体結成に影響を与えた点を指摘する。当時のバセイン宣教はカレン宣教の一大拠点であり、「自給原則」という活動理念のもとで活動を行なっていた。本報告では、同地域における宣教の特徴や活動の広がりと照らし合わせて考察を行うことで、これまで「カレン民族」史的観点から理解されてきたカレン民族協会の結成をバプテスト派各個教会による宣教の枠組みから捉えなおしてみたい。
 
【氏名】田村克己
【タイトル】「ビルマの建国神話と精霊伝説~ミャンマーの『赤と黒』」
【所属】国立民族学博物館・名誉教授
【要旨】
ビルマにおいて、日本の記紀神話にあたるものは、王朝の年代記に記録されてある。その現存する最も古いものは、16世紀初頭の『マハーサンマタ年代記』(後世『高名年代記』という)、スリランカの『大史』の形式をふまえ、「ビルマ王権と仏教の正統性、神聖性」を主張している。その後、タガウン朝の伝承が付加され、19世紀前半の『玻瑠王宮大御年代記(フマンナンマハーヤーザウィンドーヂー)』において、建国神話が「完成された形」で記録される。この一連の神話においては、世界の創造、自然から文化への移行、ひいては人間社会の起源など、神話学上重要なテーマが述べられている。そして、神話の構造上続いて、建国の英雄の流浪譚が繰り返し語られる。それは神話学上普遍的なモチーフのものであるが、王権の正統性、聖職者の介在、女性の位置など、ビルマ独特のテーマが登場してくる。また、タウンビョンなど各地の精霊信仰の伝説も、登場者や土地を通じて建国神話の体系に結びつけられ、さらにこうした神話学上のモチーフを繰り返していることがある。本報告は、以上のような、ビルマの神話世界の豊かな広がりを示すとともに、現在のミャンマーにつながる課題についても触れたい。なお、報告の一部は、拙著『レッスンなきシナリオ』(風響社、2014)で論じている。
 

例会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加ください。

関西例会では今後の例会の報告者を募集しています。報告を希望される方は、関西例会連絡係りの田崎(tazaki[at]asafas.kyoto-u.ac.jp)までお願い致します。また以下関西例会のホームページへのリンクです。こちらもご活用ください。
https://sites.google.com/site/kansaireikaitounanajia/li-huinoo-zhirase

 

●東南アジア学会関西例会委員
片岡樹、岡本正明、池田一人、田崎郁子

詳細

日付:
2014/10/11
時間:
2:00 PM - 6:15 PM
イベントカテゴリー:

会場

京都大学総合研究 2 号館 4 階 大会議室(AA447 )
46 Shimoadachi-cho, Yoshida Sakyo-ku
Kyoto, Japan

主催者

田崎郁子