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第16回ゾミア研究会

2016/09/30 @ 3:00 PM - 7:30 PM

20160930_zomia_16日時: 2016年9月30日(金) 15:00~19:30
場所: 京都大学東南アジア研究所 稲盛財団記念館2階 201号室「東南亭」

プログラム
第1部 15:00-17:00
「近代雲南鉱山業の展開と雲南南部社会の変容:箇舊錫業を中心に」
武内 房司 (学習院大学文学部史学科教授)

第2部 17:30-19:30
「ゾミア論再考ーフモン族の反乱・メシアニズムの視点から」
宮沢 千尋 (南山大学人文学部准教授)

 

要旨:
武内房司 「近代雲南鉱山業の展開と雲南南部社会の変容:箇舊錫業を中心に」

雲南山間地帯は,18世紀以降,山地-平地間の“山貨”の 交換を中心とした地域経済構造から,より広域的経済構造のなかに取り込まれていったように思われる。とくに銅鉱山をはじめとする鉱山業の急速な展開は,多 くの採掘労働者・移民・商人を引き寄せる大きな要因となった。本報告では,官営的性格の強い銅鉱業に対して民間鉱山業として展開した雲南南部の箇舊錫鉱山 をとりあげ,近代以降,仏領インドシナ連邦の成立を契機に世界経済に接合し,独自な展開を遂げた錫鉱業の生産・流通構造,鉱山開発が民族間関係・環境等に 与えた影響等について,この箇舊錫鉱山に多大の関心を示したフランス側史料をもとに若干の検討を加えたい。

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宮沢千尋 「ゾミア論再考ーフモン族の反乱・メシアニズムの視点から」

モラルエコノミー論にしろゾミア論にしろ、ジェームズ・スコットは常に大胆な仮説を打ち出して 論争を引き起こし、東南アジア研究に刺激を与えてきた。その仮説は魅力的ではあるが、自分たちの研究に照らしてみるとどこか違うと思わずにいられないので ある。ゾミア論の骨子は、「ゾミアに暮らす人々は平地の国家に迫害されて山地に追われたのではなく、支配されることを嫌って自発的に山地に出て行ったの だ。反乱をおこして全面対決するのではなく、うまく支配をかわすのだ」ということであろうし、その主張が国民国家的な枠組みを相対化するものであることは わかるのだが、しかし、東南アジアの山地民族が頻繁に武装反乱を起こしている現実はどのように考えたらよいのだろうか。発表者は平地のキン族の村落社会や 親族、宗教を主に研究してきて、一国史的枠組みにどっぷりつかってきた。ゆえにゾミア論は目からうろこであるのだが、一方でどこかしっくりこないものを感 じている自分にも気づいている。ゾミア論を全否定するのでなく、1955年から常にベトナムの政府と相いれない存在であり、清朝末期や仏領期にも大反乱を起こしたフモン族を手掛かりにして、より良い理解について考えてみたい。

 

Zomia Study Group contacts: Koichi Fujita, Hisashi Shimojo, Mio Horie

詳細

日付:
2016/09/30
時間:
3:00 PM - 7:30 PM
イベントカテゴリー:

主催者

Shimojo Hisashi