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東南アジア学会関西例会「若手研究者発表」特集(10月8日)

2016/10/08 @ 2:00 PM - 6:00 PM

日時: 2016年10月8日(土)14時~18時(13時30分開場)
場所: 京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館3階中会議室
(http://www-archive.cseas.kyoto-u.ac.jp/www/2016/access/)

 

【内容】
前半:(発表45分間×+事実関係の質疑応答各5分)×3人
●報告1 14:00-14:50
菊池泰平(大阪大学大学院言語文化研究科)
題目 :「パンロン会議の精神」とは何か?―とくにシャンの視点から

●報告2 14:50-15:40
今村宏之 (総合研究大学院大学文化科学研究科)
題目:護身術を総称すること―インドネシアのプンチャック・シラットに関する事例報告より

●報告3 15:40-16:30
足立真理(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
題目:インドネシアにおけるザカート(喜捨)制度の現代的試み—BAZNASの挑戦と課題

コーヒーブレイク 15分間

後半
●コメントとそれへの返答40分間 16:45-17:25
加藤 剛(京都大学名誉教授)
中西嘉宏(京都大学東南アジア研究所准教授)

●オープンの質疑応答17:25-18:00

要旨:
1. 菊池泰平(大阪大学大学院言語文化研究科)
題目:「パンロン会議の精神」とは何か?―とくにシャンの視点から

 本報告は、独立ビルマの民族団結の原点とされるパンロン会議について、かような歴史的評価に至った経緯の解明と、一次史料の再検討を通した新解釈の提示を目的とする。パンロン会議は、1947年2月にビルマ独立の父とされるアウンサンによって主導され、現代ビルマにおいても「第二次パンロン会議」というように繰り返し想起され、その重要性が常に再認識されている。しかしながら、このような評価は1947年から現在に至るまで一定であったわけではなく、1970年前後の社会・政治情勢から生じてきたものである。他方、パンロン会議の主催者であったビルマ・シャン州の藩王(ソーブワー)の立場からみたとき、彼らの要求は今まで明らかにされてこなかった。この点を踏まえて、パンロン会議が独立交渉の過程を通じてその意味合いを外的要因によって変質させられ、ビルマ民族指導者たちの要求に沿う形でパンロン協定が署名された側面があったことを明らかにしたい。
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2. 今村宏之(総合研究大学院大学文化科学研究科)
題目:護身術を総称すること―インドネシアのプンチャック・シラットに関する事例報告より

 インドネシアに散見される護身術は、個々に独特の歴史・文化的背景をもち、その組織原理や哲学、民俗的な名称はさまざまである。インドネシア・プンチャック・シラット協会(1948年成立)は、この多種多様なインドネシアの護身術をプンチャック・シラットと総称し、主にスポーツ競技(演舞、組手試合)として整備してきた。2003年以降、インドネシア・プンチャック・シラット協会は、プンチャック・シラットの芸術・文化的側面の振興にも力を入れるようになり、画一的な競技というイメージに変化を加えようとしているように見える。本発表では、既存研究においてプンチャック・シラットがどのように解釈されてきたかを整理し、またインドネシアの護身術に関する事例報告を通じて、そうした護身術をプンチャック・シラットと総称することの意味について検討する。
—–
3. 足立真理(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、博士課程)
題目:インドネシアにおけるザカート(喜捨)制度の現代的試み—BAZNASの挑戦と課題

 イスラーム教徒の最重要信仰義務の1つであるザカート(喜捨)は、イスラームの聖典『クルアーン』が定めた対象(貧者や孤児、管理者など)に分配され、共同体における相互扶助や慈善、所得再分配の機能を持続的に担ってきた。その支払額は、1年間に獲得した財産の量に応じて決まっており、貨幣の場合2.5%と規定されている。政教一元論のイスラーム世界において、ザカートは第一に個人の信仰儀礼として、第二にイスラーム共同体の相互扶助として、第三にイスラーム国家の福祉財源の一つとして、機能する。現代の国民国家体制の中では、この第三の意味はほぼ薄れて消えかけていると思われてきたが、本発表の対象地域であるインドネシアにおいては98年の民主化以降、多くの民間ザカート管理団体が新設されるとともに、翌99年には政府による一元化を狙ったザカート管理法案38条が出され、2001年にはBAZNAS(全国ザカート徴収局)も設立された。この動きは、イスラーム復興運動の一端として、どのように捉えられるのであろうか。本発表ではBAZNASの挑戦と課題を明らかにし、ザカート制度化への現代的試みを考える。

 

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・例会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加ください。
・以下の関西例会ウェブサイトもご活用ください。
https://sites.google.com/site/kansaireikaitounanajia/li-huinoo-zhirase

 

東南アジア学会関西例会運営委員
岡本正明、伊藤正子、佐久間香子、田崎郁子、小田なら、下條尚志

詳細

日付:
2016/10/08
時間:
2:00 PM - 6:00 PM
イベントカテゴリー:
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主催者

Masaaki Okamoto