京都大学生存基盤科学研究ユニット |
京都大学東南アジア研究所 |
山 地 研 究 会 |
|
|
山地研究会について |
|
山地は自然,経済,政治,民族,交通などの側面で平地とは異なる特徴を有しています。近年、同地域で生じている自然災害や貧困問題,民族紛争などといった諸問題は,山地という場が有する諸特徴と結びついています。これらの問題を理解するには,山地という環境の特性を把握するとともに,それらを分野横断的に分析する視点が必要となります。
また近年では,孤立的に考えられてきた山地地域も外部との結びつきを強めており,中央政府からの政策や商品経済が影響力を強めるなかで,おおきな変化のただなかにあります。山地地域はグローバリゼーションのなかで常に周辺部に位置しており,周辺からみた問題点を分析する枠組みも含んでいます。
例えば,山地という地域が有する生態環境や社会条件を踏まえておこなれてきた焼畑農耕が,中央政府からの統制や商品経済の浸透によってどのような影響を受け,どのように変化じているのか,グローバルな視点に立つ政策や経済システムとローカルな生業システムとが対立する様子,あるいは融合する様子を探っていきたいと考えています。
なお本研究会は,2005年度まで東南アジア研究所が主催していた『東南アジア大陸山地部研究会』の成果を踏まえながら,より広い地域を対象として山地という地域がもつ特性の理解を深めるという視点に立ち,東南アジア研究所と生存基盤科学研究ユニット(ISS)の有志により共同運営されてています。 |
|
|
|
山地の風景 (2) |
|
-中国・四川省西部の標高4000mの放牧地- |
山地における生業の形態は標高に応じて変化します。東南アジア大陸部を例に取ると,標高2000mまでおこなわれる稲作を中心とした農耕,標高2500m以上の地域では農耕と牧畜とが複合した生業形態が顕著になり,標高4000m以上の地域では専業的な牧畜がおこなわれるようになります。 |
|
|